『TQ〜心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント〜』|感想・レビュー

本・映画

本日ご紹介するのはこちら『TQ〜心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント〜』という本です。
ここ数年前に出会い、サマセット・モームの『人間の絆』に次いで自分の価値観に大きな影響を与えました。
そもそも『時間』とは?
そんな問いから始まるさまざまな気づきを、ぜひ味わっていただきたいと思っています!

要約

この本のゴールと位置付けているのは、単に時間を管理することではない。時間を出来事の連続と定義し、その上でどうすれば「心の安らぎ」を得られるか、ということにある。
「心の安らぎ」を得るためには、自分自身で時間(出来事)をコントロールして初めて得られる。
時間(出来事)のコントロールとは、自分の価値観を日々の行動に反映していることであり、まずはその価値観を明確にすることが大事である。

本書のグッとポイントを語る

『時間』とは?それは、出来事の連続である。

この本を読む目的は、もはやこれを知ることだけでも良いと思えます。
以下、本書から引用します。

「時間とは、出来事が過去から現在、未来へと続いていく連続体である」
このように、時間を計る基本的な単位は出来事である。

TQ〜心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント〜 P.55 第一章「時間」を奪還する

そもそも私たちは、時間の定義を聞かれた時、どのように定義しているでしょうか?
「●時●分」という時を示す役割として捉えることが多いと思います。
時間の管理を考える時に、「10分時短した!」「10時には到着しよう」などの指標です。
その逆説的な考え方、例えば、渋谷のハチ公前に向かって歩いて行ったら10時に到着した、みたいなことを本書では定義しています!
この考え方の何が衝撃的か。指標の意味での時間の定義だと、どこか受け身であり、且つ目的が見失われることがあります。「10分時短できた!」「10時にちゃんと到着。時間管理ができた!」状態ってそれ自体が目的ではないですよね?10分時短できたことで生み出された時間を何かに使いたいからこそ時短を求めるのであり、10分時短がゴールではありません。(それが楽しくて目的化することもあるとは思いますが)
また、時間という指標に囚われすぎて、自分の人生がいつの間にか時間にコントロールされている状態にもなりかねません。
指標としての時間に関する話が長くなりましたが、時間=出来事の連続体と捉えることで、今この瞬間に何をしていたいのか、どう過ごしたいのかという意識が鮮明になります。この意識の赴くままに行動ができていれば、自己肯定感の向上にも繋がり、人生の幸福度が上がるのです。

出来事をコントロールする

自分以外のものにコントロールされるようになると、私たちは幸福感を味わえなくなり、生産性も低下する。「心の安らぎ」も感じられなくなる。残念なことだが、多くの人は生活のコントロールができていないために、この「生産性」「幸福感」「心の安らぎ」を味わうことなく生活している。

TQ〜心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント〜 P.26 序章 なぜこの本を読まなければならないのか

過去に、サマセット・モームの『人間の絆』を読んで「人生無意味論」に辿り着いた時、あくまでも起こった出来事をどう捉えるかという解釈でしかありませんでした。それはある種受け身的であり、どういった出来事を起こすかということにまで意識が向いていなかったのが正直なところです。それゆえに「人生無意味論」だけでは幸福感は感じきれませんでした。人間、受け身だと自己肯定感が下がっていくように思います。一方でこの、「出来事をコントロール」することで主体性が生まれます。その行動と小さな成功体験は自己肯定感をもたらし、日々の生活が生き生きする。そして「心の安らぎ」を得られるのです。

人生の中で最も大切に思っているものは何か?

出来事はコントロールできるものもあれば、そうでないものもあります。
例えば、自分以外の人たちから発生するもの。会社のしきたりや同僚の機嫌や上司の急な仕事の依頼など。こういったものに対して、本書が投げかけてる考え方は2つあります。
1つは、コントロールできないと思っていることも、その思い次第ではできるかもしれないということ。
会社のしきたりや上司の急な仕事の依頼をコントロールしたいと思う時、自分が社長になったらどうでしょうか?コントロールするしないという状況ではなくなりますよね。これが現実的にすぐできるかどうかはさておき、コントロールの欲求度合いによって無理だと思っていたものも実現できるかもしれない、という新たな示唆を与えてくれています。

2つ目は、それぞれをコントロールできるよう、コミュニケーションの取り方を工夫しようということ。
急な仕事の依頼があることをコントロールするのは難しいかもしれないが、その仕事をいつまでに仕上げなければいけないのか、今後どういう仕事の振り方をしてもらいたいかはやりとりできるはずです。ただ言われるがままに受けるのではなく、ちゃんと自分の希望も伝えようということですね。

ただし、こういった考え方の大元は、自分の価値観や大切にしたいものが明確であることが前提です。
その大切に思っているものが何かによって、どういった出来事でありたいかが見えてきます。
私にとっては、4歳の娘と過ごす時間がとても大切だということに、本書を読んで気づきました。だからこそ、仕事は定時で切り上げて早めに保育園へお迎えにいけるよう頑張ったり、丁寧にコミュニケーションをとるように心がけています。その娘とのやりとりがとても楽しいのです!

まとめ

サマセット・モームの『人間の絆』と併せて読んでほしい一冊です。
この本を数年前に読んだ後、もっと自分の価値観にあった職場を選びました。その会社の文化の後押しもあり、いろんなことに主体的に参加しています。
そんな日々はまさに、自分の価値観を反映した出来事をコントロールできている日々で、自己肯定感がこれまでで一番の状態になっていると感じています。(同僚からはメンタルおばけなんて言われることも)

皆さんの中で、もし人生を主体的に過ごせていない人がいるなら…ぜひこの本を読んでみてください!前向きな人生に変わることを願って。

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